車検の基礎知識

車検の規制緩和

車検制度は1952年に発足してから、徐々に改正が加えられています。
自動車自体の性能の向上や、排気ガスなど公害対策の進歩などが背景にあり、国家による規制は必要最小限にしていくべきだという考え方です。

車検有効期間については、これまで次のように見直しが図られています。

  • 1982年 新車初回車検の有効期間が2年から3年に延長。
  • 1995年 車齢11年を超える乗用車について、1年から2年に延長。

1995年時には、点検整備制度についても、簡素化が進んでいます。

  • 6か月点検の義務を廃止。
  • 12か月点検、24か月法定点検について項目を削減。
  • 車検時の法定点検について、検査後の整備が選択可能。

商用車についても、2000年より、8トン未満のトラック及びレンタカー(乗用車)について、初回車検の有効期間が1年から2年に延長され、定期点検整備も簡素化されています。

規制緩和の流れは、自動車ユーザーの自覚と責任への要求が大きくなっていることの裏返しともいえます。

ユーザーが、車検とそれに伴う点検整備をどうとらえるかで、車検の有効性も費用への考え方も大きく違ってきます。

車検は、検査時点で対象の車が国の定めた保安基準に適合していることを確認するものです。

車検証の裏側にも記載されていますが、あくまでも、検査時点についてのことであり、車検満了日までの安全を保証するものではないことを理解しておく必要があります。

自動車検査証裏面(自動車使用者へのお知らせ)
自動車の検査は、安全・公害面で、国が定める基準に適合しているかどうか一定期間ごとに確認するものであり、時期検査までの安全性等を保証するものではありません。
したがって、使用者は、日常点検整備や定期点検整備を確実に実施するとともに、使用に応じて適切に保守管理を行なう必要があります。