車検のお役立ちコラム

新車の初回車検はいつ?費用相場や受ける時期、業者の選び方を徹底解説

公開日:
2023.8.31
更新日:

新車を購入してから初めて受ける車検を「初回車検」と呼びます。一般的に乗用車であれば購入から3年後、それ以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。

初めての車検では「いつ受ければいいのか」「費用はどのくらいかかるのか」など、疑問に思うことも多いでしょう。この記事では、新車の初回車検のタイミングや費用の内訳、依頼先の選び方について詳しく解説します。

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目次

1.新車の初回車検の有効期間とタイミング

車検時期イメージ

新車を買うと次の車検は3年後、ということはみなさんご存知かと思います。
これを一般的に、初回車検といいますが、しかし実際にはこれは2回目の車検です。最初の車検は自動車メーカーの工場から出荷されるときにおこなわれています。ここで国が定める基準に合致しているものに関しては、3年間が車検の有効期限となっているわけです。
しかし購入者にとっては、新車購入3年後の車検が初回となりますので、ここではこれを初回車検と呼んでいきたいと思います。
さらに、新車は車検が3年後、というのは、じつは一部の車両のみです。というのも、4ナンバーの貨物自動車や自家用特種自動車、大型特種自動車、軽貨物自動車などは、新車登録から2年後が初回車検となります。さらに軽貨物自動車はその後も2年ごとの車検となりますが、自家用特種自動車などのその後の車検は1年ごとになります。

1-1.車種によって車検期間が異なる理由

乗用車と貨物車で車検期間が異なる主な理由は、使用状況や走行距離の違いにあります。
貨物自動車は重い荷物を積載して長距離を走ることが多く、乗用車に比べて部品の消耗や劣化が早い傾向にあります。そのため、安全性を確保するために短いスパンでの検査が義務付けられているのです。
一方、乗用車は品質向上により部品の耐久性が高まったことや、貨物車ほど過酷な環境で使用されないことから、初回は3年という期間が設定されています。

2.車検を受けるのに最適な時期

車検はいつでも受けることが可能ですが、一般的には「車検満了日の1ヶ月前」から受けるのがベストです。
満了日の1ヶ月前より早く車検を受けると、その実施日から有効期間がカウントされてしまい、次回の満了日が早まってしまいます。結果として有効期間を無駄にしてしまうため注意が必要です。
ただし、指定工場(民間車検場)の中には、45日前から車検を受けても満了日を変えずに更新できるサービスを行っているところもあります。混雑を避けるために早めに予約を入れたい場合は、依頼する店舗に確認してみると良いでしょう。

3.車検を依頼できる場所とそれぞれの特徴

車検整備イメージ

車検は依頼する業者によって費用やサービス内容が大きく異なります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った依頼先を選びましょう。

3-1.ディーラー

自社メーカーの知識が豊富で、質の高い整備が受けられます。純正部品を使用した予防整備を行うため安心感は高いですが、費用は高めになる傾向があります。

3-2.整備工場

地域密着型の工場が多く、メーカーを問わず対応可能です。ディーラーと同等の設備を持つ「指定工場」と、点検後に陸運局へ持ち込む「認証工場」があります。

3-3.ガソリンスタンド

ガソリンスタンドでの車検は、車検を受けたあと燃料代の割引などの特典が付いてくるケースが多く、近所のスタンドであればそれが大きなメリットとなりがちです。
ただ、実際の点検作業や整備作業などを外部に依頼しているところも多いため、比較的時間が掛かる、という面もあります。見積もりの際にはどのくらいの期間クルマを預けなければいけないのか、確認してみてください。

3-4.カー用品店

大手カー用品店でも車検を受けることができます。店舗によっては指定工場となっているところもありますので、その場合の作業はスムーズです。料金に関しても、チェーン店として明示しているところが多く、安心感もあります。
ただ、店舗によって整備士の質が異なりますので、口コミなども参考にしながら依頼する店舗を選ぶ、ということも必要です。

3-5.車検専門店

車検に特化しているため、短時間かつ低価格で完了するのが魅力です。最低限の整備で済ませたい方に向いています。

4.初回車検にかかる費用の内訳と相場

車検費用イメージ

車検費用は、どこで受けても一律の「法定費用」と、業者ごとに異なる「車検基本料」の合計で決まります。

自動車重量税

自動車重量税は車の重さにかけられている税金で、0.5トン単位で計算されています。
ただし、軽自動車の場合は重さに関わらず一定です。

<自動車重量税の税額>
車両重量自動車重量税(2年自家用車)
~0.5t8,200円
~1.0t16,400円
~1.5t24,600円
~2.0t32,800円
~2.5t41,000円
~3.0t49,200円

※出典・国土交通省 継続検査等時における自動車重量税の税額から抜粋

自賠責保険料

自賠責保険とは、加入が義務づけられている保険です。

<普通乗用車の自賠責保険>
契約期間保険料
37ヵ月24,190円
36ヵ月23,690円
25ヵ月18,160円
24ヵ月17,650円
13ヵ月12,010円
12ヵ月11,500円

以上は沖縄地区を除いた普通乗用車の自賠責保険料となります。
詳しい保険料については、日本損害保険協会で試算できますので、そちらでご確認ください。

印紙代

印紙代とは、車検の検査手数料のことです。令和5年1月1日から手数料が変更となっています。

<車検の印紙代>
実施場所車両区分納付先・金額(令和5年1月1日改定)
国/軽検協自動車機構合計
持込検査※ユーザー車検普通自動車※3ナンバー500円1,800円2,300円
小型自動車※5、4ナンバー500円1,700円2,200円
軽自動車1,800円400円2,200円
業者に依頼※指定整備工場の場合普通自動車※3ナンバー1,400円400円1,800円
小型自動車※5、4ナンバー1,400円400円1,800円
軽自動車1,400円400円1,800円

※出典・国土交通省 車検手続きのデジタル化のお知らせ

次に点検や整備にかかる費用である、車検基本料ですが、これは依頼する業者によって違ってきます。

<業者別・車検基本料の相場>
車検を受ける業者車検基本料の相場
ディーラー約35,000〜100,000円
整備工場約20,000〜70,000円
ガソリンスタンド約15,000〜40,000円
カー用品店約10,000〜50,000円
車検専門店約10,000〜40,000円

おおよその相場は以上ですが、初回車検ではそれほど大きな整備が必要となることは少ないため、ほぼ最低限の車検基本料ですむことが多くなります。
おおよその金額が知りたい、という場合には、たとえばニコニコ車検の料金シミュレーターを利用すると、必要となる車検基本料の目安がわかります。
この車検基本料と法定費用を合計した金額が車検では必要となります。

4-1.2回目以降の車検費用はどうして高くなる?

初回車検の2年後、新車登録から5年経つと、2回目の車検を迎えます。この2回目車検以降の車検は、初回車検よりも費用が高くなりがちです。
その理由のひとつには、自動車メーカーの保証期間が切れてしまう、ということがあげられます。日本の自動車メーカーの保証制度は、一般保証と特別保証の2タイプがあり、その具体的な内容はメーカーによって異なりますが、一般保証の適用期間は3年前後であることがほとんどです。
そのため、2回目の車検となったときには保証期間が過ぎているため、自費での整備が必要となる場合があります。
また、初回車検では適用されていた、自動車重量税のエコカー減税、これの減免期間が過ぎてしまっている、ということもありえます。このエコカー減税の基準は数年置きに見直されているため、電気自動車やハイブリッド車なら適用されがちですが、ガソリンエンジン車の場合には2回目車検のときには本来の税額が適用される可能性が増えます。
さらに、5年間車に乗っていると、たとえばタイヤやブレーキパーツは消耗します。そういった部品を交換すればそのぶん費用がかかってしまいます。
これらのことから、2回目以降の車検費用は初回車検と比べると、高額になりやすいのです。

5.まとめ

今回は初回車検についての、さまざまな疑問点をご説明しました。
普通自動車の場合、新車登録から3年で受けなければいけない車検ですが、そのときからさまざまな業者で見積もりを取り、見比べていくことで、2回目以降の車検をお得に受けるためのノウハウを身に付けることができます。
車検はディーラーだけではなく、整備工場やガソリンスタンド、カー用品店、車検専門店などでも受けることができます。はじめてだからこそいろいろな業者で見積もりをとり、金額だけではなく問い合わせの際の受け答えでの印象なども考慮して、安心かつお得に車検を受けることを考えていただければ、と思います。

この記事の執筆者
自動車専門ライター 高田 林太郎
自動車雑誌の編集者として出版社に勤務したのちフリーランスライターとして独立。国産・輸入車の紹介からカスタマイズ、自動車周辺企業への取材など、自動車業界の現場にてさまざまに活動中。