車検のお役立ちコラム
新車の初回車検のあれこれ。いつ受ければいい?費用はどのくらい?どこで受ける?
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中古車などを購入した場合には2年に1度となる車検ですが、新車に限って、購入して登録してから3年後が車検の満了日となります。つまり、新車は購入してから3年後に車検を受ける必要があるわけです。
では、この購入者にとってはじめての車検のあれこれについて見ていきましょう。
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- 目次
1.新車の車検タイミングについて
新車を買うと次の車検は3年後、ということはみなさんご存知かと思います。
これを一般的に、初回車検といいますが、しかし実際にはこれは2回目の車検です。最初の車検は自動車メーカーの工場から出荷されるときにおこなわれています。ここで国が定める基準に合致しているものに関しては、3年間が車検の有効期限となっているわけです。
しかし購入者にとっては、新車購入3年後の車検が初回となりますので、ここではこれを初回車検と呼んでいきたいと思います。
さらに、新車は車検が3年後、というのは、じつは一部の車両のみです。というのも、4ナンバーの貨物自動車や自家用特種自動車、大型特種自動車、軽貨物自動車などは、新車登録から2年後が初回車検となります。さらに軽貨物自動車はその後も2年ごとの車検となりますが、自家用特種自動車などのその後の車検は1年ごとになります。
1-1.車検期限が違うのはなぜ?
普通自動車の場合、新車というのはすべての部品が新品の状態から乗りはじめるために、コンディションがいい状態となっています。それでも昔、昭和58年以前は、初回車検の有効期間は2年でした。
その昭和58年、車の品質が高くなっていることを受けて初回車検が3年に延長され、平成7年にはそれまで車齢11年を超える車は1年ごとに車検を受ける必要があったものが、2年に延長されていまに至っています。
しかし貨物自動車の場合は、普通自動車よりも過酷な使用状況に置かれていることが多く、走行距離も多い傾向があることから、初回車検を2年、その後は1年ごとに受ける、ということになっています。
2.車検が受けられる期間は?
じつは車検というのは、いつでも受けることができます。ただし気をつけなければいけないのは、車検満了日の1ヶ月以上前に車検を受けてしまうと、新たな有効期間は車検を受けた日から2年間となってしまいます。
例えば、2023年8月31日が満了日となっている車が7月10日に車検を受けると、次回の車検満了日は2025年7月10日となるわけです。
そのため、次回の車検有効期限を活かしておくためには、車検満了日から逆算して1ヶ月の間に受ける、ということが必要となります。
この車検満了日は、車検証に記載されているほか、フロントガラスに貼ってある検査証票にも書かれています。検査標章は外から見える側に満了年月が、車内から見える側には満了年月日が記載してありますので、確認してみてください。
3.車検はどこで受ければいい?
車検はさまざまなところで受けることができます。それぞれに特徴がありますので、ご自身の都合のいいところや、見積もり書を比較してお得なところを探してみてください。
3-1.ディーラー
ディーラーはその場で車検がおこなえる設備や人員を備えた『指定工場』となっていることが多く、自動車メーカーならではの知識を活かした整備がおこなってもらえる、という安心感があります。
そのかわり、検査料金や整備料金が割高になりがち、という面もあります。
3-2.整備工場
街の整備工場には、指定工場となっているところのほか、点検や整備をおこなったのち、陸運支局などに車を持ち込んで車検を受ける『認証工場』となっているところもあります。
こういった整備工場ではメーカーを問わず車検の依頼ができますが、点検料金や整備料金はお店によって異なります。
3-3.ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでの車検は、車検を受けたあと燃料代の割引などの特典が付いてくるケースが多く、近所のスタンドであればそれが大きなメリットとなりがちです。
ただ、実際の点検作業や整備作業などを外部に依頼しているところも多いため、比較的時間が掛かる、という面もあります。見積もりの際にはどのくらいの期間クルマを預けなければいけないのか、確認してみてください。
3-4.カー用品店
大手カー用品店でも車検を受けることができます。店舗によっては指定工場となっているところもありますので、その場合の作業はスムーズです。料金に関しても、チェーン店として明示しているところが多く、安心感もあります。
ただ、店舗によって整備士の質が異なりますので、口コミなども参考にしながら依頼する店舗を選ぶ、ということも必要です。
3-5.車検専門店
車検に特化した専門店では、そのお店によりますが最短1時間で車検が終わるところもあります。車検前の点検料金も比較的安く設定されています。
ただ、これも店舗によってですが、車検に必要な点検や整備のみをおこない、その他の整備はおこなわない、というところもありますので、やはり事前の確認が必要です。
4.初回の車検にかかる費用は?
車検には大きくわけて、法定費用と車検基本料というふたつの料金が必要です。このうち法定費用というのは自動車重量税や自賠責保険料、検査手数料となる印紙代の3つで、これはどこで車検を受けても違いがありません。
自動車重量税
自動車重量税は車の重さにかけられている税金で、0.5トン単位で計算されています。
ただし、軽自動車の場合は重さに関わらず一定です。
車両重量 | 自動車重量税(2年自家用車) |
---|---|
~0.5t | 8,200円 |
~1.0t | 16,400円 |
~1.5t | 24,600円 |
~2.0t | 32,800円 |
~2.5t | 41,000円 |
~3.0t | 49,200円 |
※出典・国土交通省 継続検査等時における自動車重量税の税額から抜粋
自賠責保険料
自賠責保険とは、加入が義務づけられている保険です。
契約期間 | 保険料 |
---|---|
37ヵ月 | 24,190円 |
36ヵ月 | 23,690円 |
25ヵ月 | 18,160円 |
24ヵ月 | 17,650円 |
13ヵ月 | 12,010円 |
12ヵ月 | 11,500円 |
以上は沖縄地区を除いた普通乗用車の自賠責保険料となります。
詳しい保険料については、日本損害保険協会で試算できますので、そちらでご確認ください。
印紙代
印紙代とは、車検の検査手数料のことです。令和5年1月1日から手数料が変更となっています。
実施場所 | 車両区分 | 納付先・金額(令和5年1月1日改定) | ||
---|---|---|---|---|
国/軽検協 | 自動車機構 | 合計 | ||
持込検査※ユーザー車検 | 普通自動車※3ナンバー | 500円 | 1,800円 | 2,300円 |
小型自動車※5、4ナンバー | 500円 | 1,700円 | 2,200円 | |
軽自動車 | 1,800円 | 400円 | 2,200円 | |
業者に依頼※指定整備工場の場合 | 普通自動車※3ナンバー | 1,400円 | 400円 | 1,800円 |
小型自動車※5、4ナンバー | 1,400円 | 400円 | 1,800円 | |
軽自動車 | 1,400円 | 400円 | 1,800円 |
※出典・国土交通省 車検手続きのデジタル化のお知らせ
次に点検や整備にかかる費用である、車検基本料ですが、これは依頼する業者によって違ってきます。
車検を受ける業者 | 車検基本料の相場 |
---|---|
ディーラー | 約35,000〜100,000円 |
整備工場 | 約20,000〜70,000円 |
ガソリンスタンド | 約15,000〜40,000円 |
カー用品店 | 約10,000〜50,000円 |
車検専門店 | 約10,000〜40,000円 |
おおよその相場は以上ですが、初回車検ではそれほど大きな整備が必要となることは少ないため、ほぼ最低限の車検基本料ですむことが多くなります。
おおよその金額が知りたい、という場合には、たとえばニコニコ車検の料金のシミュレーターを利用すると、必要となる車検基本料の目安がわかります。
この車検基本料と法定費用を合計した金額が車検では必要となります。
4-1.2回目以降の車検費用はどうして高くなる?
初回車検の2年後、新車登録から5年経つと、2回目の車検を迎えます。この2回目車検以降の車検は、初回車検よりも費用が高くなりがちです。
その理由のひとつには、自動車メーカーの保証期間が切れてしまう、ということがあげられます。日本の自動車メーカーの保証制度は、一般保証と特別保証の2タイプがあり、その具体的な内容はメーカーによって異なりますが、一般保証の適用期間は3年前後であることがほとんどです。
そのため、2回目の車検となったときには保証期間が過ぎているため、自費での整備が必要となる場合があります。
また、初回車検では適用されていた、自動車重量税のエコカー減税、これの減免期間が過ぎてしまっている、ということもありえます。このエコカー減税の基準は数年置きに見直されているため、電気自動車やハイブリッド車なら適用されがちですが、ガソリンエンジン車の場合には2回目車検のときには本来の税額が適用される可能性が増えます。
さらに、5年間車に乗っていると、たとえばタイヤやブレーキパーツは消耗します。そういった部品を交換すればそのぶん費用がかかってしまいます。
これらのことから、2回目以降の車検費用は初回車検と比べると、高額になりやすいのです。
5.まとめ
今回は初回車検についての、さまざまな疑問点をご説明しました。
普通自動車の場合、新車登録から3年で受けなければいけない車検ですが、そのときからさまざまな業者で見積もりを取り、見比べていくことで、2回目以降の車検をお得に受けるためのノウハウを身に付けることができます。
車検はディーラーだけではなく、整備工場やガソリンスタンド、カー用品店、車検専門店などでも受けることができます。はじめてだからこそいろいろな業者で見積もりをとり、金額だけではなく問い合わせの際の受け答えでの印象なども考慮して、安心かつお得に車検を受けることを考えていただければ、と思います。
- この記事の執筆者
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- 自動車専門ライター 高田 林太郎
- 自動車雑誌の編集者として出版社に勤務したのちフリーランスライターとして独立。国産・輸入車の紹介からカスタマイズ、自動車周辺企業への取材など、自動車業界の現場にてさまざまに活動中。
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